体内に細い鍼を入れるだけで、なぜ不調や怪我、あらゆる症例が治るのか皆さんは不思議ですよね。
今回はこの謎について解説していきます。
我々が使っている鍼ですが、これには実は太さや長さの設定があります。
ただでさえ細い鍼なのになぜと思われる方も多いと思われます。これはそれだけ鍼を体内に入れる際に繊細に、かつ計算されて治療が行われているということなんです。
だからむやみやたらに、痛いところやその周りに鍼をしているわけではないということは理解していただきたいです。
ここから更に詳しく解説していきましょう!!
その① そもそもどこを狙って鍼を打つの?
私たちが治療でよく使うのが経穴(ツボ)です。何千年も昔から体の中の機能を独特な考えで試行錯誤され制定された400穴近いツボが体には存在します。
これだけではなんとなくピンと来ない方も多いとおもいます。
わかりやすくツボのことをいうと、「センサーが集まっているポイント」です。
ツボはほとんどが神経の流れの上に存在しています。その神経を作動させるセンサー(受容器)をうまく刺激することにより身体の流れ、動き、機能をコントロールすることができます。これを利用したのが経穴(ツボ)を使った治療です。
これをどのツボをどのくらいの刺激で、どのようにその疾患に対して治療できるかが、それを考えて治療される先生方の力量が試されるわけです。
その② なぜ、内臓に効くの?
例えば皆さんは胃がつらいまたは痛いときに、背中の下の部分が張ってきたり重くなった経験はないでしょうか?
これは内臓体性反射と言って、簡単に説明すると胃の神経と背部の下の神経は実は脊髄で繋がっていて、胃の反応を感じて背中の筋肉が緊張をおこしているということなんです。
私たちはこの反射を利用し、背部の筋肉のツボから胃に運動を働きかけて胃の調整をはかったりします。またその①でもいいましたが、胃の神経のツボ(受容器)を利用して胃から遠い部分である足や腕にも鍼をしたりする場合もあります。
鍼での内臓の治療は効果的です。
それはあらゆる方面からのその内蔵機能の流れに対して直接アプローチができることと、お薬ではないので副作用がないというのもすばらしいことです。
やりかた次第では治療効果の可能性もどんどん広がっていく治療ともいえます。
その③ スポーツの鍼灸ではどんなことをするの?
スポーツ鍼灸においての治療の考え方として大きく3つにわかれます。
1 スポーツ前もしくはスポーツのできる体の準備の鍼
日常生活の動きに比べてスポーツの動きは特殊であり、運動負荷ではかなりの差があります。その準備をする鍼をします。筋肉を起こす様な、または筋肉の動きを良くするような鍼をします。
2 スポーツ中、もしくはスポーツ中のケガの鍼
スポーツ中の体の状態は活発で最も動きの良い状態になっています。その状態が激しくなったりすると、筋肉疲労、ケガが発生しやすくなります。このときの鍼の意義はやはり、筋肉のパフォーマンスを落とさずに、バランスを整えることをメインとします。またスポーツに復帰したときに同じ感覚でプレーできることをいちばんに考えます。
3 スポーツ後のコンディショニング
スポーツで疲労状態の筋肉にたいして、高まっている状態の筋肉を沈静化して穏やかな状態にして疲労をとることを一番に考えて治療します。また、次の日になるべく疲れがでないよう心がけるのも大切です。
上記の3つの項目ですが、それぞれの状況、状態に応じた鍼をしないと大変なことになります。
スポーツをされる選手の状態を一番に考え状況をみて的確に治療していくのがよい治療といえるでしょう。
でも言えるのは、
確実にスポーツプレイヤーの力強い味方になるのは間違いないです。
鍼治療、あらゆる方面で活躍できるのはおわかりいただけましたでしょうか?